亀岡には「ガレリアかめおか」という総合学習施設があります。そんな施設誰もつかわねーよと思いきや、図書館や会議室、エアコンの効いたサロン等があるので受験生や勉強したい人が閉館時間まで沢山いるので、何気に賑わっています。
受験も中盤でやや切羽詰った空気を醸すサロンの奥にある個室。そこに満ちる空気は前者のそれとの間には深い溝がありました。
漫画の原稿です。
中学以来の友達が某雑誌の漫画賞に出品する原稿の締め切りが一週間前となって「ちょっとヤバイ」と感じたらしく、ヘルプを頼まれました。過去二回受賞経験のある彼が「今度の作品は自分で言うのもあれやけど自信作」と言うだけあって力の入れっぷりが違います。
クロアイの仕事を終えて早速ガレリアへ向かい、ピリピリした受験空気の向こう側の扉を開くとそこは消しカスだらけの机と件の漫画家の卵(以下、卵)とN君(以下、ダンサー)が居て、灰色の空気が垂れていました。
そこからビリーズブート消しゴムかけ(*1)を経てベタ(*2)に入り、それも終盤の頃にA(以下、芋)が大阪から出向してきて本気モードに入ります。
テンションを下げると挫けそうになるので漫画談義でひたすらテンションを右肩上がりにしつつ目線は原稿に集中する四人の姿は異様です。サロンでは受験勉強に勤しむ高校生達がいるというのに、もしかしてこの声と灰色の空気は外にだだ漏れなんじゃないだろうかと不安になりました。
もし漏れていたらこの場を借りてお詫びします。
そうしながらも芋はトーンを貼り(*3)、自分は集中線を描き(*4)、卵とダンサーはペンで色々効果を書き足したり(実際何をしていたかは原稿に集中していたので定かではありません)と役割をひたすらこなしていきます。
気づいたら閉館時間でした。原稿が格段に進んだことを三色だんごとアリナミンVという最悪の組み合わせで乾杯し、亀岡市の某ファミレスへ移動してご飯を食べましたが、そこで絵を描いていたテンションが下がるわけもなく、四人で机に向かって絵を描き始めて結局閉店時間の2時まで居座り描き続けました。自分で言うのもなんですが、傍から見ると相当気持ち悪い光景だったと思います。本人たちは楽しかったんですけどね。
楽しい割にこんな風に寄って絵を描く機会があまりないので、こういった場は用意するべきだとお絵描きチャットの管理権限や日時指定をなすりつけ合い、卵の原稿のアップを期待して解散となりました。
それにしても皆で絵を描くのはいいんですけど、画力的にこう…
自分<<<<ダンサー<<芋≦卵
くらいの差があるので若干切なくなったというお話でした。
アシスタントは楽しいし技術もつくので一石二鳥。機会があればまたやってみたいと思います。修羅場に突入するのはちょっと勘弁願いたいですが。
最近、ブログを見ている方が多いことを知ったのでせめて暇つぶしくらいにはなるよう長文ぎみにしてみました。
*1 ビリーズブート消しゴムかけ…下描きの線を消しゴムで消す作業。腕が超疲れる。
*2 ベタ……原稿の一部分を黒く塗りつぶす作業のこと。毛先を塗りつぶすとき、丸くならないようにするのが大変。
*3 トーン貼り…ベタや手作業では表現しきれない複雑な模様などを描いたシートを貼る作業。結構値段が高い。
*4 集中線…効果線の一つ。コマの中心に向かって放射状に描いていくことで、迫力と対象の強調を表現する。インクがにじんだときが悲惨。
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